2006年度1学期
法政演習:
「戦後日本の政治学」
(新潟大学法学部)


[概要]

戦後日本の代表的な政治学・政治過程論にかんする論文をピックアップして輪読します。戦後日本の政治学では何が問われ、その方法はどのように変遷してきたのかを検討することで、現代の日本政治の課題、それを扱う方法について考えます。

[聴講指定等] 他学部聴講生可

[達成目標]

テクストの精読、学問的な討議の方法を身につけること。
戦後日本の「民主主義」にたいする自分なりの考えを持つこと。

[受講要件等]

このゼミは、現実と理論を往復する高度な思考の跡を辿るもので、それなりの準備を必要とします。予備知識は必要ありませんが、日本の現代政治に関心を持ち、積極的に議論に参加することが望まれます。

[履修上の注意]
(1)毎回の課題テクストを読んで、A41枚のレジュメにその構造をまとめること
(2)授業開始前日までに、メイリングリストに自分のレジュメを投稿すること
(3)発表者と司会者は、参加者のレジュメを読んだ上で論点を打ち合わせしておくこと

[授業計画]

(1)イントロダクション(ゼミの進め方、発表の仕方、レジュメの作り方)

(2)丸山真男「超国家主義の論理と心理」(1946年)『丸山真男論集 3巻』岩波書店、1995年

(3)松下圭一「大衆国家の成立とその問題性」(1956年)『戦後政治の歴史と思想』ちくま学芸文庫、1994年

(4)岡義武「現代日本政治における外圧・反応」『現代日本の政治過程』岩波書店、1958年

(5)田口富久治「日本の「圧力団体」―一つの概説」『社会集団の政治機能』未来社、1969年

(6)大嶽秀夫「社会的紛争と企業権力」『現代日本の政治権力経済権力』三一書房、1979年

(7)ペンペル「労働なきコーポラティズム」『現代コーポラティズム』木鐸社、1984年

(8)カレル・ヴァン・ウォルフレン「第2章 とらえどころのない国家」『日本/権力構造の謎』早川書房、1988年

(9)佐々木毅「現代日本政治の隘路」『いま政治になにが可能か―政治的意味空間の再生のために』中公新書、1987年

(10)雑誌『リヴァイアサン』(1987年〜)創刊の辞および初期座談会

(11)山口二郎『政治改革』岩波書店、1993年(一部抜粋)

(12)小林良彰『現代日本の政治過程―日本型民主主義の計量分析』東京大学出版会、1997年(一部抜粋)

(13)蒲島郁男「マスメディアと政治」『戦後政治の軌跡』岩波書店、2004年


[成績評価の方法と基準]
出席、司会・発表、議論への参加という三点による絶対評価。三つとも満たせば優とします。

[使用テキスト]
授業計画を参照。テクストはこちらでマスターコピーを用意します。

[参考文献]
大嶽秀夫『戦後政治と政治学』東京大学出版会、1994年
大嶽秀夫『高度成長期の政治学』東京大学出版会、1999年
田口富久治『戦後日本政治学史』、東京大学出版会、2001年